ボードゲームで失敗した話(1)の解
さて、何故に勝者であるゲームの持ち主が出入り禁止という厳しい扱いを受けたのか。
彼/彼女は、途中で説明しなかったカードを、その存在を知らない人相手でなければ使えないような稚拙な使い方で、ただ自分が勝つために用いて、見事に勝利を得たのです。その上で、自分が勝ったことを自慢げに振る舞い、不満げな他の参加者を小馬鹿にしてしまった。
この行いで彼/彼女は遊び相手として不適格の烙印を押され、ゲームをする会には喚ばない運びとなったのでした。
…次はさらに説明でもしていきましょう。どうしてこの行いが「不適格」に繋がるのか。
ボードゲームで失敗した話(1)
ボードゲームを遊んでいて、自分や知り合いが体験した失敗談を少々。
ある人物が知人やその友人たちを相手に、自分の持っている新しいゲームを遊ぼうともちかけた。そのゲームはボードやトークン、カードから構成されていて、基本はシンプルなルールなのだけど、カードを使うことで例外的な処理が行われるというものだった。
持ち主は基本的なルールの説明をして、代表的なカードの効果を説明して、「まずは軽く遊んでみよう。判らないことがあったら教えます」と言って、皆で遊びはじめました。
その後にゲームそのものはルール通り遊ばれ、でも非常に残念な結果となりました。勝者にはゲームの持ち主がなり、彼/彼女は出禁となりました。
さて、何が起こったのか?
ボードゲームの遊び方、について
簡単なポイントを二つほど。
ボードゲームを遊ぶというのは、遊び方が共有されてないゲームを、多人数で時間をかけて遊ぶことを意味します。
そうなってくるとゲームとの係わり方というのも、自分と自分以外がそれぞれゲームに習熟しているかで変わってきます*1。
こういったゲームの持つ文脈依存性とでもいうものを、意識/無意識かはさておいて、踏まえて行動ができるかが「遊び方」としてはまず重要でしょう。遊ぶボードは同じでも、遊ぶゲームは同じとは限らないのですよね。
また、ゲームは参加者が協調的でないと面白くないし、詰まらない人と遊びつづける理由は思ったより少ないと知ることも「遊び方」としては大切でしょう。
貴方が遊べるかを決めるのは、自分ではなく相手の気持ち次第だということ、逆に詰まらない人とは別に遊ばなくて良いということを念頭に置いて振る舞えるかは大事ですよ*2。
テーブルゲームでの遊び方、について
テーブルゲームでの遊び方というのは、突き詰めると「ゲームはルールに基づいて進行する」「ゲームでの勝敗は自分だけでは決められないし、嫌でも受け入れないわけにはいかない」「ルールの中で上手くやることはズルではなく、ルールで禁止されていることはズルになる」ぐらいになるんでしょう。
泣いて喚いても将棋の「角」は前には進めないし、負けそうになったからといって拗ねても手札は変わりません。ルールの中で上手くやる人をズルと非難してはだめだし、ルールを破ってズルをしてもだめ……という、ゲームの基本中の基本です*1。
正しいかどうかはいざ知らず、ボクはこれが納得できない人とは、ボードゲームやカードゲームを遊ぼうとは思いません。
*1:こういう考え方って、小学校前ぐらいに学んでるものなんでしょうか
TRPGをどう捉えていくか、について
TRPGというのは非常にやっかいなものなのですけど、おおよそは図のような6つの層を意識して捉えてます。その上で、自分のTRPGを楽しく遊ぶための力(ぢから)をあれこれ考えてみたり。
ボクは日本語を母語として生きてきたので、会話/読書については基本的なところができているでしょう。テーブルゲームとして遊ぶ振る舞いについては、幼年時代に家族でゲームをやったり、小学校時代に将棋やトランプといった伝統的なゲームに触れていたので粗はあっても素地はできてると思います。
ボードゲーム・カードゲームについては、テーブルゲームとどう違うのかという点でまずは補足が必要ですが、基本的に「ゲーム参加者の全員がゲームルールに習熟している保証がない」「一回のゲーム時間が1時間を超える」というぐらいに捉えてます。将棋やチェスにリバーシ、ポーカーゲーム以外は全部でしょうか*1。そういう「ゲームのホスト役がルールの説明から始めて遊んでいく」ものは、ゲームをはじめて勝敗を決するという遊びとは、遊び方が違ってくるでしょう。
ボードゲームやTRPGを遊ぶ人はあまり意識しないですけど、「ひとつのテーブルを囲んで、ゲームを介して会話を三時間続ける」というのは普通の人は滅多に経験したことないんですよ。「休日に友人宅に集まってゲーム会を開く」なんてのは、ホームパーティが身近になるまで、説明しても共感してもらえない気がします。
ボク自身は不思議と学校の昼休みや放課後に、雑談しながらゲームに興じるということが多かったので、それなりに経験をしています。社会人になってからは遊ぶ時間は減りましたけど、ボードゲームを自分で買えるようになってからは、インスト役を色々なゲームでする機会も増えて、それなりに幅広く経験しているでしょう*2。
……といった土台の上に、ようやくTRPGらしい層が出てくるわけです。でも、「TRPGの遊び方」と「個別TRPGシステムの遊び方」、さらには「セッションスタイルごとの遊び方」をそれぞれ別々に切り分けて意識・整理するというのは、まだまだ未踏分野でしょう。ボクもまだ曖昧としていて、言葉にするのは躊躇します。さすがに20年ちかく遊んでいて、自分の言葉にできないというのは恥ずかしいものがあるので何とかしたいのですけど。
こういうところを見通しよく、わかりやすい言葉になってるととても幸せに感じるのですが、なかなか難しいのです*3。
補足:都内で女性限定サークルは難しい
実際の男女比率等を多少なりとも考慮したマトリクスを補足として記載しておきます。これを見れば「上手な男性ゲーマー」を遊ぶ対象から外さないために、女性限定サークルを選択しない女性ゲーマーが居ることに納得感が出るかと思います。