『GMさん、教えてください』回答(3)
ちょっと間があいてしまっていますが、Kaleidoscope Fragmentsより質問集『GMさん、教えてください』に回答しています。(1)と(2)に続いて書きます。
【06. 既成シナリオ】
前提として、ボクはシナリオ作者(シナリオ製作)とゲームマスタ(マスタリング)を区別しています。ゲームマスタは作成されたシナリオをセッションに合うように調整する立場というスタンスです*1。
- ルールブックやサプリ、サポート誌等に掲載されている市販のシナリオを使いますか。
- 使います。
- そのまま使いますか。改変を加えますか。
- 調整という意味では必ず改変を行います。コンセプトやプロットを変更するような意味での改変は余程のことが無い限りは行いません。
- 改変する場合、主にどんな所をどのように変えますか。
- 人物相関図や事件構造のように不足している図表を作成したり、セッション中に参照しそうな情報へのリンクを整備増補することが多いです。それ以外に、実際のプレイ時間やゲームバランスの関係から削ったり足したりします。
- 市販のシナリオの中で、お勧めのものを教えてください。
- 『赤い手は滅びのしるし』でしょうか。まだ遊び終えていませんが、実に燃える展開のようです。おそらく実際に遊び尽くすためには様々な手を加えてしまうでしょうが、そうしたくなる作りだということができます。
- 既成シナリオをプレイした時のことを何か教えてください。
- シナリオは半完成品であり、遊んだセッションの過程で完成します。だから楽しく遊ぼうというスタンスで進めればなんとかなるんじゃないかと思います。だからキャンペーン後半で明かされる秘密(実はあの幹部は死んだと思っていた人物)を第一話の顔見世でいきなり言い当てられても、泣いたりパニックになったりせず、もってまわって後半まで気にせず突っ走ればよいのです(心の傷)。
【07.シナリオ作成……元ネタ編】
- 元ネタありのシナリオを作りますか。
- 元ネタありというのを「単一ないし少数の作品にルーツを求めることができる」という風に考えれば、作ることがあります。
- シナリオのネタ元になることが多いもの、ことは何ですか。
- 市販シナリオ。ニュース報道やノンフィクション、神話・伝承・説話・民話、戯曲や台本、マンガ、映画。自分がPLとして参加したセッション。
- ネタをシナリオに仕上げてゆくとき、どういうふうにひねりますか。
- プロットやモチーフ、シーンの3つから1つないし2つまでしか流用しないようにしています。
- 元ネタありのシナリオを作るとき、気をつけていることは何ですか。
- セッションで使うものである以上、元ネタの面白さよりもプレイアビリティを優先します。
- 今まで元ネタにしたものを列記してみてください。
*1:シナリオ供給が不足している状況──ほぼいつも──で、例外的にシナリオ作者を兼任することがあります。恒常的な例外というあたりで破綻しているのは気にしてはいけません。シナリオクラフトのようにシナリオ作者としての側面が減じられて調整に力を注げる姿の方をボクは歓迎します。