呪術的思考に注意

「類似しているもの同士には関係性がある」という思考があります。これ自体は人間の知性が持つ素晴らしい特性のひとつで、インスピレーションの源泉としてとても大切なものです。でも、呪術的思考に陥ったままで進まないように注意しないといけません。

しかしこれは同時にどこからともなく「トンデモ」で「チープ」にする上では便利な手法ではあります。「おいおい、いくらなんでもそんなわけないだろう(失笑)」と思わせることで笑いを誘うボケ技とでもいいましょうか。

  1. 同じ音(似た音)だから関係がある
  2. 同じ字形(似た字形)だから関係がある

といった論理展開は、読み手の心内で寸足らずの漫才を
生み、笑いに繋がっているんじゃないでしょうか。

  • 原始的思考「なるほど」
  • 科学的思考「なんでやねん。んなわけあるかいっ」
  • 原始的思考「ありゃー」
  • (観客席でどっと笑い声)

…この論法の悩ましいのは、音や字形が似ていることを発端に研究したら、本当に関係があったという現実が沢山ある点ですが。

だから。ボクは「諧於論事」という文章に出会っても、そこでの「論」という文字が今日的な「論じる」と等しい、とは俄かに思えないのですよね。