首ナイフ問題は続くよどこまでも

井上(仮)NEWSで「く〜びナイフは続く〜よ〜どーこーまーでもー♪」などと書かれたので続きを書いてみよう。妙にアクセス多いですし。

首ナイフについては首ナイフ問題と行動申請スタイルで触れている。この時は「幾重にもプレイミス/マスタリングミスが積み重なった場合にしかそもそもで問題とならない」という点を指摘するに留めた。

また、首ナイフは語る価値があるのかでは、「シナリオ作者および、GM(シナリオ調整者)が提示した初期条件をプレイヤが却下することは妥当ではない」という切り口を述べた。

夜も遅いしあれこれ書くのが面倒なので、大筋だけ。

  1. 首ナイフ問題には2つの区別すべき問題が含まれている
    1. シナリオ調整者の提示する初期条件(課題)をプレイヤが却下できるか
    2. マスタはプレイヤが希望する課題の変更を取り入れるべきか

これについて、前者は「却下できない」で争点がなく、後者は「可能なら取り入れ、不可能ならば取り入れない」でやはり争点がないと考えているわけです。

もう少しだけ。「首ナイフ問題」は以下の一文で言われることが多いようです。この文章について上記の観点から考えてみます。

  1. GM「敵は人質の首をダガーで切り裂いたよ」
  2. PL「人質のHPは○で、ダガーのダメージは×だからまだまだ余裕で生きてるでしょ」
  3. GM「首にくらったから死ぬよ」
  4. PL「じゃあ、敵の首を狙います。首なら一撃で殺せますよね?」

最初のGMの発言は「人質交渉を行う状況設定のために、制約条件(設定)として首にナイフを突きつけられた人質がいる」という中、「制約条件の存在を却下してPCが行動を行った」ために「シナリオの通り、制約条件が有効に機能した」と告げているだけです。これはマスタリングとは無関係で、シナリオ作成や舞台セッティングについての問題であり、それ故にプレイヤが干渉するところではありません*1

マスタリングの問題として首ナイフを読むならば「『交渉に拠らない人質救出および犯人無力化』という、より挑戦し甲斐がある課題(のオプション)をプレイヤが希望した場合に、それに対応して課題(シナリオ)の拡張を行うか」といったものになるでしょう*2。しかし、これも「GMができるならばやる。できなければやりようがない」という話であって、そもそもで意見が衝突する所が見当たりません。

結果として、首ナイフは問題でないと考えてます。

尚、最後のPLの「首を狙えば即死するのですね」という発言は、誤解があります。「首に当たるから死亡する」わけではなく、「死亡するダメージを与えたから首に当たる」のです。ルールが適用する結果が舞台に具体的にどのように反映されるか(描写される確定されるか)はマスタの担当であり、プレイヤはルールに則って十分なダメージを与えた際に、マスタに首に当たったという表現(描写)を希望するという形にするのが良いかと思いますね。

*1:モンスタの回避力をプレイヤが下げることはないはずです。ただし、無茶な問題設定を行うシナリオ調整者は低い評価を得ることになるでしょう

*2:可能な限りは行うことが望ましいと考えますが、難しい点がいくつかあります