起承転結はたくさんある中の一つの指針でしかない

よほど「起承転結」という言葉が好きなのか、色々なところで見かける*1

起承転結は元は漢詩における手法で、うたい起こして、承(う)けて、趣(おもむき)を転じて、最後に結ぶという形式。長い歴史の中で研鑚された、漢詩という少ないボリュームの中でダイナミックな動きを持とうとする優れた形なのだと思う。

が、当たり前だけどTRPG漢詩ではない。そして起承転結のシナリオであれば上手く行きやすい、というボリュームとは限らない*2

なのに、問答無用で「起承転結」を当て嵌めようとするなんてのはあまり具合が良いものではない*3

そして物語を作りつつ遊ぶTRPGにおいて、「転」とされる部分を上手く運用するのはGMとPLに過大な負担を課すことも忘れちゃいけない。

つまりは、起承転結はかなりTRPG向きじゃないわけで。少なくとも、ある種のスタイルを持ったGMやさまざまな運用を体験したGMでない限り、起承転結を意識するべきじゃないと思うのですよね。もちろん、システムが起承転結をきちんとフォローするように組まれているなら話は違ってくるけどねー。

んで、起承転結以外にも、似たような手法はあったりする。とりあえず、二つばかりあげておきます。

こんな風に、起承転結は複数ある『型』の一つでしかないのですよ。

「どの『型』を意識するのがTRPGに向いているか」については個人差もあるし、正解はないはずなわけで。なのに起承転結ばかりを絶対的な指針として捉えるのは危険だと思う次第。

ま、四字熟語で音が七つなのが日本人に気持ち良いからついつい選んじゃうのかもしれないけど、それって無意識に引きずられてるだけなんで、意識して判断を下す方が良いんじゃないかなー。

*1:四字熟語で格好良いからだろうか?

*2:ボリュームなんてのは進行の手際によりけりだし

*3:でも小論文とか文章書きの参考書とかに載ってるんだよね。何故か。