コンベンションレポート
6月の段階で友人知人と参加する方向で日程を調整した結果、なんとか千葉のコンベンション、VA主催の「女の子だってRPGしたいんだもん♪」に参加してみました。そこで簡単ながらレポートを書きたいと思います。尚、今回のレポートにあたっては自分の体験と実際に参加していた友人知人たち約十名から得た感想をソースとしています。
まず総評を出しておきますが、今回参加した結果は「もう少しがんばろう」でした。遠隔地のコンベンションなため、大きく改善されたと聞くまではもう参加することはなさそうです。
コンベンション概要
- サイト有り
- サークルサイト内のコンテンツ
- 公共施設利用
- 駅から徒歩7-8分
- パネルを持ったスタッフが駅待機
- フリープレイ形式(場所貸しコンベンション)
- GM含め当日に調整
- 参加費300円
- GM参加者には全額返還
- 中規模(30-60)
- GM委任での卓分
- セッション時間は昼食含め5時間
- 運営の時間管理ゆるめ
- 10時開始18時終了
- 運営上のスラング有り
- リーフレット有り
- アンケート有り
- MVP制有り
- 選考はGMに一任(PLアンケートは参考)
- 閉会式内で発表される
運営スタイルは全般的に小規模の場所貸しコンベンションに良く見られる形です。小規模であれば個々の運営項目について柔軟な時間運用をしても余裕がありますし、主催者が優れたバランス感覚で制御すれば「特別扱いされる」という体験を参加者に提供できます。結果としてアットホームな雰囲気を作り、不協和音の少ない会を作り得る優れた運営スタイルと言えるでしょう。
ですが、中規模に向いた手法とは言えません。そのためVAのイベントには多くの残念な点がありました。これについては後述します。
サイト
サイトを置く目的は通常は以下の点にあります。
- イベント認知度の向上
- イベント情報の事前提供
- サイトを通じた交流
サイトを置くことは認知度向上につながります。なぜなら「ネット」からコンベンションを認識する人が多数いる上に、「口コミ」など他の経路からイベントに参加する人たちの中にも、ネットを介して情報を集めたり振り返っている人が少なからず居るからです。
また、サイトはコンベンションに参加しようとする人に情報を提供する役割も果たします。参加するか否かを判断する材料、参加にあたって知っておくべき情報、参考情報などを記載することで主催者側は質問に回答するコストを、参加者側は質問するコストを節約できます。
交流もサイト設置の大切な目的です。掲示板やメールでの問い合わせは、規模が大きくなるにつれて目が行き届かなくなりがちな運営の各部についての貴重な情報源となります。また、寄せられる相談についても、当日に生じる課題を事前に知り準備する手掛りとなるためとても重要です。
これらの目的を達成する手段としてサイトを設置する場合、「サイトへの到達しやすさ」「利用可能環境の幅広さ」「使い勝手の良さ」が鍵となります。
開場・受付まで
駅で友人知人数名と待ち合わせた後、駅待ちスタッフと出発に合わせて会場に入りました。
駅待ち
ここで駅待ちにスタッフを置くことのメリット・デメリットを簡単にまとめましょう。
- 駅から会場までの移動でトラブル(迷う等)がおきにくくなる
- 会場までの案内図を提供する手間が省ける
- 参加を歓迎していることが暗黙に伝わる
- 参加者の(部分的な)顔ぶれを受付前に知ることができる
- 1名以上のスタッフが数十分単位でとられてしまう
- 受付時間がまとまってしまう
- 受付順序に混乱が生じる可能性がある
- 駅周辺で集まり移動することになる
- 会場外でトラブル(交通事故や急病人など)が発生する可能性がある
これらメリット・デメリットに駅の大きさや参加者数などを加味して、駅待ちの有無が決められます。
さらに今回のVAでは以下のような工夫があったようです(一部伝聞)。
- A4サイズのクリアケース(ハード)を使ったボードを手に持って目印とした
- 駅待ちスタッフの配置を予定時刻直前にした
これ以外でざっと思い付く改善点としては「ボード裏面にA4サイズの案内図を用意し、さらにA5サイズで10枚程度の案内ペーパーを準備する。さらにボード表面に『会場までの地図あります』と記載する」等でしょうか。
会場入り・受付
移動開始までに駅には参加者が二十名近くが集まっていました。会場まではほぼ一本道で、集団移動でも10分かからず到着でした。
会場施設は少し古めの公民館で、エレベータを使ってコンベンション会場に向かいます。
受付は参加費を渡してパンフレットを受け取るというもの。混雑を予想してエレベータを一本見送ってみたのですが、受付はまだ混み合っていました。列が進んで受付に着いたら女性スタッフに参加費を渡してお釣りとパンフレットを受け取り、空いてる席につきます。
受付では金銭が机に広げられていたのが気になりました。目にだらしなく写りますし、貨幣が転がる等のトラブルが生じると厄介なので、適当な容器を使いたいところです。
卓候補の告知
会場前方の黒板にPL募集告知用の卓情報記載がありました。特に説明は無かったようですが、GM立候補する場合はこれに記入をするのでしょう。
ボクは視力が低いため、黒板付近に着席して逐次新しい候補が書き込むのを読んでいきます。
- システム名
- 対応人数
- 使用サプリメント
- その他
驚いたことにGMの呼び名は必須項目ではありませんでした。もっとも黒板に卓番号が振られているので、そちらを使えば困らないということなのかもしれません。
リーフレット
席に着いて黒板をチェックしたら、開会式まで特にやることも無いので受付で配布されたリーフレットに目を通すことにします。
- モノクロB6サイズ8頁
- 表紙のみ色紙(薄桃色)
- 横書き左綴じ
- A4片面コピーを半分に折ってステープラでとめた体裁
- 文字サイズはかなり小さめ
ぱっと見のイメージは「学校行事のしおり」でしょうか。表紙がカラー紙なためにしっかりした印象を受けます。
箇条書きではコピーとしましたが、部数が多いならリソグラフ印刷の可能性もあります(表紙以外を使い回す等できれば現実的な案です)。そうなると手間がかかりますがランニングコストはより引き下げて考えられます。
さて、体裁に続き、内容を以下にまとめておきましょう。
- 表紙兼メモ(1頁)
- 白紙(1頁)
- 主催サークル紹介(1頁)
- 会場注意事項(1/2頁)
- イベント主催ポリシー(1/2頁)
- 主催者挨拶(1/2頁)
- タイムスケジュール(1/2頁)
- 注意事項(2/3頁)
- 卓分け方式(1/3頁)
- 白紙(1頁)
- イベントスケジュール(1/2頁)
- 編集後記(1/2頁)
表紙と裏表紙の裏側が白紙なので、内容は6頁分。リーフレット全体についての注意事項が6ページ目にあるなど、読み手にいささか負担のあるページ構成となっているのが残念でした。関連事項をグループ化して、すっきりとした形に仕上げるとぐっと良くなると思うのですが。
開会式
開会式に限らず、多人数での行為は時間との戦いです。これを判りやすく示す物差しが「人時間=参加人数×経過時間」です。この物差しを導入することで、行為はそれに要した人時間に見合ったものかで評価できるようになります。
人時間で考えはじめると、規模の大きなイベントの運営がかなり厳しいことが明らかになります。なぜなら規模が大きくなるに従って、実時間あたりの人時間は膨れ上がるためです。さらには運営にかかる実時間そのものも規模拡大で伸びますから、個々の進行段階で費やされる人時間は加速度的に増大します。
人時間の考え方は遅刻を理解するのにも役立ちます。30人のグループで一人が3分遅刻し運営が5分滞った場合、遅刻者は1.5または2.5人時間の損失を出したということになるわけです。実際にこの損失を補填せよと求められる事はまず無いでしょうが。
開会式はリーフレット記載の予定から10分遅れで開始となりました(理由のアナウンスは特に無かったと思います)。
主催者挨拶
今回のVAで最も違和感を感じたのは主催者代表の挨拶でした。
まず明白なのは「長い」という点です。計測したわけではありませんが15分以上はかかっていたはずで、当日参加者が60人近くいたことを考えると実に15人時間の挨拶となります。
また、背景を説明せずに話を進めてしまったため、結果的に事情を知らない多くの参加者にとっては意味不明なまま、ただ時間が経過する形となりました。そういった人たちには代表の口調が厳しかったこととの相乗効果で、不快感を抱いた人もいたことでしょう。
そして、これだけの犠牲を払ったにも関わらず、その内容はボクの記憶にほとんど残っていません。資料等が提供されなかった上、後に控えたGM紹介で短期記憶が完全に上塗りされたためでしょう。
何か混み入った話をする際は、経緯(背景)についてのまとめと結論部分を一枚の紙にまとめて、リーフレットに折り込むぐらいは準備した方が良いです。
GM紹介
GM紹介は一人あたり約二分の持ち時間が与えられ、順番に説明をしていくという形式。時間はスタッフがクリアケースで残り時間を表示することで管理する形をとっていました。
主催者挨拶で見事に座がしらけた状況からの紹介ということで、やりにくそうなGMもいる中、じっと紹介に耳を傾けます。
という流れが15回繰り返され、紹介がおわります。代表コメントはマイク受渡しの「間」を繋ぐ上では有効ですが、助長な印象を与えるものでもありました。
途中で会場に到着した人(遅刻者)が新たにGM候補に加わるという珍しい一幕がありました。
卓分け
卓分けはリーフレット記載の方法で行われていました。が、人数が多いために予定より5-10分ほど余分に時間がかかっていたようです。
フリープレイ形式
フリープレイ(場所貸し)は、主催側がセッション場所の確保、開催告知などを代表して行う開催形式です。当日にどのようなゲームが遊べるかは、参加者次第になります。
長所は主催コストの小ささで、小規模なフリープレイ形式のコンベンションであれば、1,2名で足ります。継続的に、あるいは短い間隔で開催しようとする場合などに効果的でしょう。
短所は卓のバラつきが大きくなりやすい点です。場所貸し形式では参加PL総数が各GMの収容PL人数を上回り、参加したものの遊べない人が出るという事態さえ起き得ます。また、GM準備をしたにも関わらず用意していた卓が潰れて徒労となることもあります。
フリープレイ形式のコンベンションの中には、スタッフがGM準備をするところもあります。この場合のスタッフ卓は軟着陸用の仕組みですから、立卓数が少なければ立卓候補に加わり、逆に多ければ自発的に潰す形を取ることがままあります*1。
スラング
運営上でいくつかのスラングが出てきており、さらにその説明が特にされませんでした。このため、司会者の発言に一瞬戸惑うこともありました。
ただし、何回か参加経験のある知人友人からの補足では、普段はきちんと説明がされているとのことでした。また、リーフレットの卓分けに関する部分に括弧書きがありました*2。
閉会式
予定からおよそ10分遅れての閉会式が開始されました。
アンケートとMVP制
セッション終了時までにアンケートを記入し提出します。アンケートには意見感想等に加えて、MVPの選出を記入する欄がありました。
GMおよびMVPによる感想披露
気になったのはMVPに選出され、一言コメントを求められた方たちのうち、数割の人が自分を「サラシモノ」と発言している点です。
初参加なのでそういう意識が本当に働いているのか判断しかねますが、わざわざ時間を割いて選出するのですから、選ばれた人が素直に喜びをコメントできる形にしないともったいないと思います。
代表からの一言
アンケートを踏まえた一言。今回は開会式での代表挨拶に対する批判に対して、検討に値しないと切り捨てる形で寸評していました。
締めの言葉
参加者の中から一人をその場で指名し、その人に締めの挨拶を依頼する形をとっていました。
指名された方はいきなりの事で驚いていたようでしたが、なんとかまとめていました。
まとめ
終了後、駅近くのお店に友人知人のうち何人かと連れだって入り、感想等を述べあいました。今回のエントリはそこでの内容を踏まえつつ、独自の見解を書いています。
内容などについて質問がありましたらコメント欄かTB、あるいはmixiやメール等でどうぞー。